古来から『家制度(苗字を有した者)』が根拠となり、今日も慣習として形式は受け継がれていますが、実態は意味を失った現在の『家墓地(何々家の墓と墓石に刻まれている墓地)』は、過去においては財産や地位の継承の根拠とされた時代もあり、それなりの意義がありました。
しかし現代に於いては“長子家督相続”という因習が法的根拠を失うと同時に、大半の人間は『墓地は本家の証、家の歴史という財産』とは考えなくなりました。
家ではなく、個人を国家の基本とする、といった新憲法下の今日、百歩譲って、子々孫々が維持費用を支払い続ける『墓地』が本当に必要なのでしょうか。
勿論、『家墓地』を維持することで親類縁者〝一族″が団結し、国家に依存することなく自己完結できる生活の支えとなり心豊かな生活が実現するのであれば家墓地の存在意義は大きいでしょう。
しかし墓地が相続問題に絡み、権利だ義務だ責任だといった継承が争いの火種になっている事が多いのが現実です。